鉱山訪問備忘録

2019年4月8日
 曜日 曇 群馬県 昭和鉱山 ⇒ 萩平鉱山 ⇒ 花輪鉱山

昭和鉱山脇の沢
層状マンガン鉱床

道々地元の方や林業の方に聞きながら辿り着いた沢。
石造りの鳥居があり、働く人々の安全祈願か、鉱山の繁栄を祈ったのか・・・昔に思いを馳せながらハンマーを振るいました。地味ながらも幾つか取れたので先を行きます。


 
バラ輝石




萩平鉱山 
角閃石ホルンフェルス相の接触変成を受けた層状マンガン鉱床。
東小中鉱山があったであろう場所を横目に通り過ぎ、林道を行くと漸く少し開けた場所に。そこには先人たちの叩き割った岩々が。何だか連帯感を感じつつ辺りを見て回ります。

 石英の塊や帯橙色のバラ輝石などを採取。


 

 

褐色の部分は菱マンガン鉱とアレガニー石の混ざったものでしょうか。黒色部分は磁力がないのでブラウン鉱か・・・

 



 



  

黄鉄鉱もキラリ。南部石なんて見つかったらすごいですが・・・

 



 



細粒状のマンガン柘榴石か・・・黄銅鉱や黄鉄鉱も見られます。

  


     

黒い部分は磁性がないのでブラウン鉱でしょうか。正方晶系らしい結晶は見られませんが、照り感が似ています。




花輪鉱山 
層状マンガン鉱床 

鉱山場所がなかなか見つからず、買い物をしたお店の方に地元で一番古い方を紹介していただき、ご自宅の場所を教えてもらったのは良いが、まずそちらにたどり着けずご近所の方に聞いたりして・・・。なんとかなるものですね、夕方直前に着きました!が、これはと言う物は取れませんでした。




 宿泊先の山荘に行く途中にダムがあります。




かつて鉱山が賑やかだった頃は、訪れた国内外の要人をフランス料理でもてなし、銀食器をそろえ、葡萄酒も樽で仕入れていたそうです。
その当時の115年前のレシピを再現したビーフシチューは大変おいしかったです。惜しむらくはスジャータとかマーガリンとかでなく、本物の食材を使用して頂ければもっとおいしいと思います。
温泉は最高でした!




翌4月9日 火曜日 雪 のち 晴 栃木県 足尾鉱山 ⇒ 日瓢鉱山 ⇒ 加蘇鉱山

足尾鉱山 本口沢 
中新世中頃(1500万年前)の足尾流紋岩類の流紋岩に伴う高温-中温熱水鉱床
および 三畳紀新世からジュラ紀古世(2億2000万年-1億7500万年前)のチャートブロックを交代した塊状鉱床。

  足尾銅山 本口沢  黄銅鉱、黄鉄鉱、方鉛鉱 花崗斑岩 他



 

   

石英脈の空隙に育った黄銅鉱や黄鉄鉱。



 

 銀色の微細な結晶は硫砒鉄鉱か輝蒼鉛鉱かはたまた・・・
 




  

六角柱の水晶も見られます。



  

どれもきれいなので、つい写真を撮りすぎてしまいます。



    



  




   

石英や雲母がキラキラと美しい花崗岩。石英閃緑岩でしょうか。



 






足尾鉱山 銀山平


桜石(菫青石、白雲母、インド石)

ホルンフェルス中の桜石( 白色六角形~柱状部)
桜石は、ホルンフェルス中(黒い母岩)に形成された菫青石とインド石が白雲母やソーダ雲母に置き換わったものです。 中心部には高温で安定な六角柱状のインド石があり、それを核としてその周囲に低温で安定な菫青石が成長しています( インド石と菫青石は、同質異像)。

 

 





  




  









日瓢鉱山付近一帯(横根山)
横根山周辺は古生代(5.7~2.45億年前)から中生代(2.45~0.65億年前)に形成された古い堆積岩を基盤岩とする山塊で、
中生代の後半(1.44~0.65億年前)から新生代初期(0.65~0.24億年前)にかけて、足尾山地の古い堆積岩にマグマが貫入し、やがて冷えて大型花崗岩体(花崗閃緑岩)になりました。
そのジュラ紀の堆積岩 コンプレックス(足尾帯)に多くの層状マンガン鉱床が胚胎してい ます。

 

忍石 昔は水石としても大変人気のあった鑑賞石です。



 
珪長質岩の空隙に二酸化マンガン等が染み込み、期せずして(あるいは地球の摂理?)樹木や景色のように見える岩体。




加蘇鉱山

チャートを交代して生じた、成層面に板状に発達した接触高温交代鉱床

 迫力満点の廃墟です。一人でハンマーを叩いていると少し怖い・・・(連れは飽きて車で帰り支度)


  








最後に 
鳥居や神社たち。まだまだたくさん見られました。

 



神田神保町 薫風花乃堂 くんぷうはなのどう
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