仙台へ行ってきました。
学生時代の友人が御自宅へご招待下さり
砂川一郎先生の母校である東北大学を見学したいと思っていたので
ここぞとばかりに・・・!
こちらは友人の息子さんが研究されていた所です。
今日は東北大学自然史標本館を見学。
勉強になりますね!
スタンプラリーもおすすめです。シールがいただけますヨ。
そして・・・
”青葉城恋歌”をご存知ですか?
あの”荒城の月”もこちらの歌だったのですね。
お昼はやはり海鮮丼。明礬を使っていない雲丹ですよ!
と、シラス丼とイクラ丼・・・一人でこんなには・・・シェアして食べました。
その夜は友人宅で素晴らしい手料理をいただきました・・・楽しくて写真を撮り忘れました~
煮込みハンバーグ絶品! 朝食の手作りコンポートも美味しかった~
翌日はまず松島へ!
遊覧船からの眺めです。デッキの風が心地よく・・・。
お昼は遊覧船乗り場から割と近いこちらへ。
駐車もここなら無料だったナ。
時季外れではありますが、ご当地有名な春牡蠣を使ったラーメンとマグロ担々麺です。
牡蠣のお出汁が良く出ていました。ちょっと私にはしょっぱいけど。
お土産に美味しいカステラ、不自然なものを添加していない、粉・卵・砂糖だけ、みたいな。
そして午後は待望の東北大学の研究所見学!
廊下にはアカデミックなトピックが。
教授室にお邪魔して最近の学生さんの研究についてお話して下さいました。
高知県久万高原の水晶(連続する3柱面のみに表面に微細水晶ができている)についての考察や実験について。
→重力によって天に向いた面に物質が降り積もった、あるいは空隙の一方向から溶液が流れ込み、その方向の結晶面に多く物質が供給され続けた。
→母結晶の姿勢や成長方向と表面構造の関係性を探る。
参考論文1 Laemmlein 1941:水晶が壁面から水平に成長するとき下側のr,z,面は上側のものより大きく成長、s,x面は下側に現れる。
→微細水晶がある柱面を上側にした時に大きいr,z面やs,x面が下にきていたら、その水晶は水平に生えていて、そこに重力によって降り積もったという事が考えられる。
→観察の結果、特に錐面の大きさに一貫性は見られない、久万高原の水晶が水平に成長した裏付けは取れなかった。
参考論文2 学会発表(2019,JAMS年会九大):上下の菱面体の成長速度、晶癖と重力はあまり関係ない。
なるほど。
次に柱面に微細水晶が見られるという点で似ているカクタスクウォーツと比較して機器を用いて観察されていました。
機器もいろいろ。用途別に使いこなさなくてはならないようです。
☆ デジタルマイクロスコープ:光学顕微鏡とデジカメを組み合わせた、データの保存や解析ができる優れもの。
☆ 偏光顕微鏡::光学顕微鏡の一種で試料に直線偏光を入射すると光の明暗や色の違いで結晶構造を観察できる。
☆ カソードルミネッセンス顕微法:電子が物質に衝突した際に放出する可視光波長の光子を利用して、内部構造、組成や成長過程などを調べることができる。
☆ SEM:走査型電子顕微鏡。光学顕微鏡では光の波長より小さいものは見えないが電子顕微鏡はより小さなものを観察できる。電子線を試料に当て、そこから出てくる二次電子を拾って結像し、ある程度広い範囲の試料表面の構造を観察するのに適している。
☆ TEM:透過型電子顕微鏡。FIBで作った薄膜に電子線を透過させてSEMよりも細かい(狭い)領域を観察する。
☆ FIB:試料作製用集束イオンビームシステム。超薄膜フィルム(100nm以下)を切り出し画像を起こしSEMやTEMで観察できる。
なるほど。
・・・お話は多岐にわたりました。
教授のフランボイダル パイライトの研究、そこからバックミンスター フラーのジオデシック・ドームに繋がったこと。
そのお話を伺い、私がイギリスで賄いシェフをしていたお宅がそのフラー研究の第一人者だったマーティン ポーリー、、
シュンガ石に発見されたフラーレン構造の名称がフラーにあると数年前に知ったと告げると話は弾み、
さらに当時観光で訪れたカーディフ/ウェールズにその時分教授がその大学で研究していらしたことなど、色々なご縁を感じました。
因みにフランボイダル パイライトは古書でも発見されるそうです。昔のインクに硫化鉄が使用されており長く閉じて保存されるうちにぺージとページの狭間で化学変化を起こし黄鉄鉱を作ってしまうのだとか。
ほ~ ここにも何やらご縁が・・・。
部屋を移動しながら高価な機器を見せてくださいました。
コイルが強力な電磁場を作ることで電子線の焦点が絞られる。
スキャンした信号は速すぎて私たちの目にできるものは残像。
まるで何万光年彼方の星の輝きを見るような。
私たちは過去を見ているのですね。
いかにも学生さんたちが切磋琢磨している雰囲気が微笑ましいです。
共焦点ラマン顕微鏡、筑波大を訪問した際、鍵がその場になく拝見できなかったので今回観られてうれしいです。
教授が先の研究室から運んできたSEM。
エアサス車で搬送したそうです。
やはり使い慣れた機器は研究者にとって相棒のような存在なのでしょうか。.
オスミウムコータ。
オスミウムの被膜をデコボコの試料にもコーティングさせることができるのでムラなく観察できる。
酸素に触れるとすぐに物質が変化してしまう試料を窒素を充填させたこの中で作業をする。
廊下にはこんな扉も。 奥には何が・・・?
教授の部屋の2つ先ではハヤブサから持ち帰ったものを研究しています。
未踏の領域を研究できる機会は現代では少なく、既存の研究から”気付き”によって深彫りしてゆくのが現代の主流。
カッコイイ機器たち。
貴重なお時間を割いていただき本当にありがとうございました!
朝、友人宅の家を出発する際に息子さんの資料をお借りしました。解読できるかわからないけど。
論文も温泉宿で拝読しました。
インジウムとアンチモンの化合物は閃亜鉛鉱構造で極性によって成長が異なるというような内容で色々実験していました。
帰ってから調べていると参考になりそうな産総研の論文も見つかりました。
ご興味のある方はどうぞ、リンクを張っておきます。こちらから
「な ぜ 極 性 が 欠 陥 形 成 に 著 し い 影 響 を 及 ぼ す か に つ い て は 詳 細 な 研 究 が 少 な く 、
種 結 晶 の 面 方 位 の 極 性 と 凝 固 時 の 欠 陥 形 成 の 関 係 に つ い て は 不 明 な 点 が 多 い 。 ・・・」
さ~ 今日は秋保温泉に宿泊します。
美智子様のバースデーケーキが。
お部屋もステキ。
鬼平を見ながらまったり。
お夕飯も豪華でした。
タラの白子豆腐も滑らかで・・・器も良いものばかり。
大変美味しゅうございました!
そしてもう朝。
バイキングです。ワンポーションが小さいので、少しづつ色々味見できます。
スバラシ!
おすすめのクロワッサン。設置されたトースターで焼き温めて。ホロホロ、サクサクでーす。
チェックアウトが11時なので、またゆっくり温泉に。
予想通り誰もいない。
NaとClとS、H2Oによって形成された模様。
露天風呂は階段を下って、まさに森の中というテイで。
誰もいない。
柱状節理を思わせるあしらい。
アラゴナイトが独特の模様に。
ああ、気持ちいいー
最後に
チェックアウトして近くの、ちょっと面白いガラス工房へ。
ラボのような工房に、石を閉じ込めたガラス球。
石とガラスでは冷えて固まる時間も異なり、
割れずにこのような形に仕上げるには大変な試行錯誤があり・・・
そのロス分がお値段に乗っかり、一球30万円くらいです。
珪孔雀石が硝子の熱によって組成が変わり、硝子の中で様々な銅の二次鉱物が晶出しています。
↓
藍銅鉱?青針銅鉱?青鉛鉱?水亜鉛銅鉱?
他にも様々な自然の砂からガラスを精製し作品を作られていらっしゃいます。
こちらなんてNASA(!)による人工’月の砂’から作られたガラスです。
実験用にNASAが月と同じ成分で作った砂だそうです。
そしてそのガラス。
おーこれはきれいですねー
坩堝だまりのガラス・・・この色は広瀬川の砂からできた硝子でしょうか。
箸置きにぐい吞みを購入して帰りました。
仙台市内のビジターセンターで買ったリンゴのオブジェと。
無事帰宅しました。
友人に頂いた仙台名物笹カマと”気合の入った”酒屋さんからご当地の日本酒。
ああ、楽しかった!
ではでは。
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